芦田琢也の方法
テレパシーボックスで、もっとも効果的な現象は、紙を破って、そのうちの一辺を相手に持たせ、残りをケースの中で復活させて、相手の持っている一辺と合わせるとピタリ形が一致するというものです。ただ、この見せ方は、適当な大きさの紙をあらかじめ用意するという、わざとらしさがあります。
テンヨー製造部の芦田琢也は、その素晴らしい解決策を思いつきました。芦田は毎朝、会社に出社する前に、コンビニに立ち寄り、缶コーヒーを買っていました。そのたびにレシートを受け取るのですが、毎回同じ内容のレシートを受け取るので、それがテレパシーボックスの復活現象に使うのにぴったりであることに気付きました。
サイフの中に1枚のレシートを入れておきます。「小さめの紙を使います。えーと、そうですね。このレシートを使いましょう。これは今日、缶コーヒーを買ったときのもので、○○円でした」といって金額の部分を見せます。紙をいくつかの破片に破り、そのうちの一辺を相手に持たせ、残りの破片をテレパシーボックスに入れて復活させます。その日の日付の方をテレパシーボックスにセットしておき、違う日付の方を破るようにします。最初に相手に見せるときは、日付は指で押さえて、金額だけを見せるようにします。
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