スタートは特殊な動きをする素材でした。ふとしたことから、その動きを制御できることに気付き、その原理にぴったりの現象を組み合わせて完成しました。もともと"モアイ像"はマジックのテーマとして使えるというアイデアのストックがあり、この原理を見つけたときに直ちに結びついたものです。ルイス・タネン社(アメリカの大手マジックショップ)のトニー・スピナ氏は、このマジックを見たあと、絶賛の手紙をわざわざ開発者の下村宛てに送ってくれました
選んだカードを当てるモアイ 小宮賢一
まず説明書通りの見せ方で、相手の選んだ宝石にモアイ像が向いた後、再びカバーをかぶせてから残っている宝石をケースに入れてポケットにしまいます。次に1組のトランプの中から適当に12枚のカードをとり出して、相手にその中から1枚抜いて覚えてもらいます。カードを戻してもらい、12枚のカードをよく切り混ぜ、モアイを中心にしてそのまわりに時計の文字盤のように裏向きに並べます。宝石のときと同じように手をカバーの上でかざしてから開けてみると、モアイはまた向きを変えて1枚のカードを見ています。表向きにするとズバリ相手の選んだカードです。
これは、演技を始める前に、タネの操作をしない状態でモアイを台の上にのせ、モアイが時計の文字盤でいう何時の方を見ているか覚えておきます。何時の方向になるかは、そのとき演技をするテーブルの傾きなどによって異なりますが、台の位置を変えない限り特定の方向を向きます。あとは、相手のカードをトップにコントロール*してカードを並べるときに先ほど覚えておいた時刻から配り始めればいいわけです。
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