カズカタヤマ氏によるシルクマジックの解説です。
1996年に発行された、とっても貴重なレクチャーノートです。
今では入手困難なものです。
ここに解説されたシルクマジックは、完全なオリジナルというよりも、先人の多くのマジシャンたちのアイディアの組み合わせに過ぎません。
まずその多くのマジシャンに感謝したいと思います。
手練奇術に魅せられて、早くも20年になろうとしています。リンキングリングから始まって、四つ玉、カードマニピュレイション、シンブル、ゾンビボール、等々入れば入るほど深く、凡人たる我が身を思い知らされるばかりです。
いかにその手練奇術のアクセサリー的な存在として、シルクは常に重要な位置付けとなっておりました。
シルクマジックはそのシルクの特色により、独特の手品らしさをかもしだしていると思います。
カードや玉等の素材の間にうまく組み入れることによって、色彩的にも質感としても、見る者に心地良い印象を与えるのです。
しかしその手品らしさが、古臭いとか、現代的感覚に合わないと言われるところでもあります。
私がシルクマジックの手順作りに本格的に取り掛ろうと思ったのは、松田道弘氏の『シルク奇術入門』(日本文芸社)という本を読み、数年後にNHKでマーコニック師の演技を見て、すごいストレスを感じたからであります。
この時はブラウン管を通してですが、多くのことを考えさせられました。
マジックの表現に決まったルールはないのだとつくづく思い知らされました。
その後、あれこれとシルクマジックを練習し、自分なりに手順をいろいろ作って、各地の発表会などで演じてきました。
そして常に新しく、自分であろうと心掛けていました。
それはまた一種のマーコニックへの挑戦だったともいえます。
マーコニックの演技を見るまでもなく、シルクマジックはまだまだ多くの可能性を秘めているはずではないでしょうか。
問題はシルクという素材にあるのでなく、演者の固定観念によるものだと思います。
今こそ垣根を取り払い、固定観念を打破し、単に手品を行なって見せるだけでなく。
スタイルに縛られるだけでなく、表現というレベルに高めるときなのです。
手品はパズル遊びでも、お遊戯でもありません。
何をするかでなく、何をしたいかということが重要なのです。
良識ある奇術師は、プロ・アマを問わず、現状に非常に危機感を持っています。
今こそ新世紀へ向けて大いなる変革の時を向かえています。
新しいマジックの時代、奇術新世紀へ向けてはばたく時なのです。
キーポイントは、シルクマジックです。シルクの逆襲なのです。
微力ながら、この書がひとつのステップとなることを願って止みません。
カズ カタヤマ
内容
はじめに
4枚に分裂するシルク
大きくなるシルクの輪
大きくなるシルク
色変わりシルク
紙筒
コミカルなシルクバニッシュ
ハンカチーフボールマニピュレーション
ボールとシルクの手順
20世紀靴下の手順
おわりに
日本語解説書
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英語解説書
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解説DVD
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付属品
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状態
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備考 |
中古品です。
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