紙幣を使うマジックに、お札の飛行現象があります。ハンカチや封筒に入れたお札が消えて、パンやレモンの中から出てくるというものです。「お札危機一発」を考案したときのイメージは、トリックの前半である“お札を密封した状態から、ひそかに抜きとる”という部分からきています。実際、この道具を使ってお札を抜きとったのち、パンやレモンからの出現につなげることもできます。その後、この道具だけで完結したマジックとなるように工夫し、ピンで突くとお札がケースを貫通して落ちるという現象を、さらに菅原茂が、ピンに突き刺すというアイデアを出して完成しました。“一発”という文字は、本当は“一髪”が正しいのですが、現象のイメージからあえて選んだものです。
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